2024-11月 月選出作品(順不同)

人工美

徳安博之

【中山講師・講評】
美しさを考慮して作成している訳ではなく、あくまで機能性のみを追求して作成されたテトラポートであるが、そこに生まれた美しさ、機能美・造形美を独自の感性で捉えた見事な作品です。
構図的には海や砂浜がまったく入っていない点が良かったと思います。
入れてしまうと中途半端な風景写真になってしまい、人工美という作品意図が薄れてしまったでしょう。
右側の流木をあえて入れて微かに調和を崩すことで、整然と並んだテトラポットの魅力を強調する効果を生んでいます。

蜘蛛の惑星


矢崎英夫

【中山講師・講評】
蜘蛛の巣の作品は数多く見てきましたが、この作品ほどインパクトを受けた作品は初めてです。まさにスパイダープラネット・蜘蛛の惑星ですね。
こういう撮り方を発想でき、作品に仕上げられる矢崎さんの美的センスと撮影技術に脱帽です。
蜘蛛の巣の曲線はまさに惑星の表面、そこにいるグロテスクなはずの蜘蛛もまるで宇宙人のようで魅入ってしまいます。
縦構図にして背景を青空にしたことで宇宙の高さ広さを感じさせてくれ、本来なら避けたいゴーストもこの作品では見事な演出になっています。

恭仁京浪漫

矢崎英夫

【中山講師・講評】
恭仁京の礎石と彼岸花、よく見る題材ですが、他とは少し違った印象を与える作品です。
下から煽って画面からはみ出すほど大きく配置した礎石の迫力が見る者を圧倒します。そこに寄りそうように咲く彼岸花、別に群生している訳ではないのに最前列にある為に十分存在感があります。恭仁京のシンボルの一つの石碑と柿の木も邪魔にならない位置でしっかり画面に入れています。
そして朝焼けの少しオドロオドロした色合いも個人的に気に入った点です。
奈良時代の遺跡、この土地でもきっと不穏な歴史もあったのだろうな、と感じさせてくれる意味深い作品です。